アイリンアルサーム・テーブルトークロールプレイングゲーム(AA・TRPG)とは

本書は、オリジナルのテーブルトークロールプレイングゲームであるAA・TRPGの実際のプレイの様子を録音し、後に文書に書き起こすことで記録した「テーブルトークのリプレイ」と呼ばれるゲーム紹介用の文書です。
 このリプレイは、『アイリンアルサーム』という架空のファンタジー世界を舞台にしています。
 テーブルトークロールプレイングゲームでは、ゲームに参加する人間(プレイヤー)たちがそれぞれ、ゲーム世界において担当する仮想人物(キャラクター)を作成し、ゲームマスター(以下GM)と呼ばれるゲームの司会進行・審判係の提示する障害を乗り越えていくことでゲームが成立します。

 AA・TRPGの概要は、ファンタジー世界観を特徴づけるために、それぞれのキャラクターに【レベル】【クラス(職業)】【基本能力値】【技能(戦闘技能+一般技能)】などの要素があることです。
 【レベル】はそのキャラクターの総合的な強さや成長の度合いを表し、【クラス(職業)】は戦士や魔法使いなどそのキャラクターがどのような職業的な特技に特化しているのかを表し、【基本能力値】はそのキャラクター個人が有する、生物としての根源的な能力の優劣を表しています。【技能(戦闘技能+一般技能)】はキャラクターが成長していく中で技能点を獲得し、自由に取得していくことができる専門知識や特殊能力などです。
 
 AA・TRPGでは、キャラクターの【レベル】は0から20まであり、まったく戦闘能力を持たない一般人はレベル0、一人前の冒険者として認められる目安がだいたいレベル3、レベル5で達人、レベル7以上が英雄、レベル9程度が死すべき運命の人間の限界域、レベル10以上は人間の領域を超越していく存在として一般に認識されます。
 レベルは障害を乗り越えていくたびに経験点が蓄積し、経験点が一定値に達することで1ずつ上がっていきます。

 【クラス(職業)】は冒険に出るキャラクターとして初期選択可能なものが、ファイター(戦士)、フェンサー(剣士)、ナイト(騎士)、レンジャー(野伏)、スカウト(斥候)、メイジ(魔術士)、エレメンタラー(精霊術士)、ライトルーンマスター(神聖術士)、ダークルーンマスター(暗黒術士)、ドラゴンプリースト(竜術士)の10種があり、GMの許可を得てプレイヤーが選択することができます。これらの10種のクラスは初期クラスと呼ばれます。
 それぞれのクラスには、職業的な特徴に準じて得手・不得手が設定されており、基本的に一度選んだクラスは変更できません。
 ただ、クラスは一定の条件(高い【基本能力値】への到達や、設定されている宿業の消化など)を満たすと、より高位のクラスである上級職へクラスチェンジすることができます。上級クラスは初期クラスに比べ、ますます得意分野への特化が進んだり、あるいは広範な能力や知識に通じどのような状況にも対応できるようになるなど、キャラクターを特徴づけるシンボルとして大きな役割を担います。

 【基本能力値】には、筋力・生命力・器用度・敏捷度・知力・精神力の6つがあり、それぞれ0から20までの整数で表されます。基本能力値は戦闘だけでなくすべての判定行為においていずれかが使用され、最も重要かつ基本的な能力値です。【筋力】が高ければ力の強いキャラクターということになり、大型の武器・防具を扱えるようになりますし、【敏捷度】が高ければそのキャラクターは走るのが速く身のこなしが俊敏だということになり、戦闘では敵の攻撃に対する回避能力が上がります。【知力】が高いキャラクターは、基本的に頭の回転が速い人物ということになり、ゲーム世界における専門的事象への精通や、魔術士ならばより高位の呪文の習得や呪文を使用する際の熟練度による精神的疲労の軽減に優位な加算がされていきます。
 基本能力値の6つはそれぞれ、キャラクター作成の際に一番初めにランダムで決定されます。キャラクターの選択する種族によって修正が入りますが、基本的な種族である“人間”の場合、すべての能力値は「D6(6面体のサイコロ一つ)」です(ただし、英雄的な素質を持っている存在であるプレイヤーキャラクターたち全員は、1の出目が出た場合はさらにD6を振り直し、出目を加算させていくことができます)。
 一般人の能力値の平均は3です。生命力が1ならば病弱な人、筋力が2なら力仕事が苦手な人、知力が5ならそこそこ頭のよい人、器用度が6ならとても手先が器用な人、ということになります。能力値10超え(2ケタ到達)は、人外の領域とされ、畏怖と憧憬の対象です。
 基本能力値はレベルが1上がるごとに、任意の能力値を1と、ランダムでいずれかの能力値が1上昇していきます。
 また、選択ルールとして、キャラクターの性別によって「男性は筋力・生命力に+1、知力・精神力に−1」「女性は筋力・生命力に−1、知力・精神力に+1」の初期修正がはいります。

 【技能(戦闘技能+一般技能)】は、クラスによる特徴とは別に設けられた、さらにそのキャラクターの専門性を表す要素です。初期段階から選択するクラスにもともとついてくる技能がいくつかあり、その他は「D6(6面体のサイコロ一つ)」によってランダムに獲得した技能点を消費して、希望する技能を獲得していくことができます。
 技能は、主に戦闘時により優位な効果を発揮する特技である戦闘技能と、平時においてなんらかの専門的な才能や知識に特化したことを表す一般技能に分かれます。たとえば、前者の戦闘技能には《背面強襲》(奇襲時の攻撃命中判定とダメージにプラス修正がはいる強力な攻撃)、《随伴専守》(キャラクターの敏捷度m内にいる指定した一人の味方キャラクターを瞬時に“かばう”ことができる能力)、《武装万適》(筋力に応じて装備する武器防具の負担が軽くなる技能)などがあり、後者の一般技能には《危険感知》(不意打ちを受ける際の対抗判定に用い成功時は通常回避に移る)、《自然知識》(天候や動植物、自然環境などに関して精通した知識をもち、これらの専門的な知力を用いた行為成否判定の際に達成値を大幅に底上げする)、《屋内斥候》(屋内探索系の技能全般に通じ、鍵明けや罠解除、潜伏などの行為成否判定の達成値を大幅に底上げする)などがあります。

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